[定本]育児の百科
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発売日: 2005-07-22
発売元: ロゴヴィスタ
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この育児書はゆっくりあわてず読みましょう。
松田道雄がこの育児書を生み出してくれたことで日本の育児の世界は変わった。
松田道雄は戦後、京都に小さな診療所をかまえ、あえて看護婦(師)をおかず、じっと母と子どもの関係をみながら育児と病気の相談を受けていた。医療行為は最小限必用なことしかしなかった。自然に治ってゆくのだ。その強い信念。ラジオの育児相談も担当した。日本の風土で定着している育児の仕方には意味があるという民俗学的視点を大事にした。戦後、日本の庶民の子育て文化が全否定されていく風潮の中で松田は親たちに話しかけつづけた。安易に欧米流を良しとはしなかった。『赤ちゃんの立場に立とう!』さらに保育所の保母さんとの集団保育の研究、ついには「自由保育」の提唱。彼の子どもをみる目には日本社会の戦後の大変化がきちんととらえられている。さらにドイツ語、ロシア語、フランス語を解する語学の天才は20冊の世界中の小児科雑誌に目を通し、世界の小児科の最新情報を改版のたびごとに母親たちに伝えた。
敗戦後の母親たちは、核家族化の中で子育てしなければならなかった。おばあちゃんがいたら教えてくれることを彼は大事にこの本の中に残している。『母親をまず安心させること』この本は子どもの年齢に沿って少しずつ読むようになっている。さらに小児科医が説明しない「子どもの病気」についてわかりやすく伝えてくれる。この工夫はすごい。まことに分厚い本であるが、忙しいお母さんもいつのまにかこの本を読んでしまう。そのときには我が子は大きく育っているのだ。挿入されている写真も、すばらしい。子どもが普段と変わったとき、まず親がどっしりとするよう細心の心配りをしてある。戦前、日本結核予防協会の京都の診療所の初代所長は彼であった。彼の誇りを知りたいならば「子どもの病気」の結核の項目を読めばいい。「結核といわれたら誤診と思え」と言い切っている。自由保育の味方。孤立した核家族の母親の味方。母親の心の安定剤。日本の保育への大きな贈り物であった。
「定本」として岩波書店は出版しつづけることにしたのは岩波書店の彼への感謝である。松田道雄以上の小児科医は20世紀においては日本においては登場しなかった。とうとう「定本」になってしまった。寂しい。
わかりやすい言葉を慎重にえらびながら松田道雄は様々なことを私たちに教えてくれているのである
基調はゆっくりなのだと思います。
CD版が出るとは予想もしませんでした。